高知競輪場で「第71回全日本プロ選手権自転車競技大会」が27日に行われ、1キロメートルタイムトライアルに臨んだ新田祐大(38=福島)は1分03秒334で、連覇した菊池岳仁(23=長野)に0秒242差の2位だった。

 最後の〝表舞台〟となった2月のGⅠ全日本選抜(岐阜)最終日から約3か月。先頭誘導員早期追い抜きの失格により3か月のあっせん停止となった新田が満を持してバンクに戻ってきた。

 誰よりも大きな声援を受けて、スタートからの250メートルは全体2位の19秒708と「ここでいいタイムを出せるようにしっかり練習してきた」との思いが序盤からあふれ出た。

 中盤以降も粘りの走りを続け、暫定1位だった村田祐樹を0秒602上回る好タイムでフィニッシュ。最後は菊池にトップの座をさらわれ「万全の態勢でやってきたつもり」と悔しさをにじませたが、高知で上げた復活ののろしは全国のファンに届いたはずだ。

 競輪には6月1日開幕の前橋GⅢから復帰し、その後はGⅠ高松宮記念杯(岸和田)、7月のGⅡサマーナイトフェスティバル(松戸)に参戦予定。「いい刺激を入れることができた。競輪でもいい走りができるように頑張りたい」。我慢の時を過ごしたグランドスラマーが静かに闘志を燃やしている。