岸和田競輪場で開催されている令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛GⅠ「第75回高松宮記念杯競輪」とガールズケイリンのGⅠ「第2回パールカップ」は11日、初日を行う。

 パールカップでGⅠ初出場となる石井貴子(34=千葉)は2021年5月京王閣のガールズコレクションで落車し、選手生命の危機に陥った。気持ちひとつで復帰したが、その後も落車に見舞われてしまう。

 デビューから第一線で活躍していた実力者は、苦しみの中に沈んだ。しかし「あの時は選んでもらって出場できて、力をもらって走ることができた」と2023年8月のアルテミス賞レースで2着に入った。涙が、流れた。応援を背に、歯を食いしばってきた。

 応援してくれる人たちに、戦う姿を見せないといけない。ケガで傷ついた身でも、下は向かない。

 でも、大きなことは言えない。現実がある。「1日1日を精一杯頑張る」。ずっとこの言葉を繰り返してきた。ケガで欠場し、創設されたGⅠの出場権を手にすることはできなかった。だが、やっと…。

「所定の期間を走り切って、権利を取って」

 初のGⅠ出場に、再び注目が集まる。変わらない戦いを続ける。今回も「余計なことは考えない。レースの1走1走を頑張ると言ってここに来れた。今回も1走1走できることを」と目の前の戦いだけに集中する。

 おたかさん。

 大舞台からは大ケガのため遠ざかっていたが、その勝負根性は変わらない。初日の東日本ガールズ予選7R、戦う姿に声援を送ろう。