松阪競輪FⅠナイター「中京スポーツ賞」は25日、最終日を開催した。決勝は上杉嘉槻(26=福井)が真鍋顕汰(30=三重)の先行を5番手まくりで仕留め、うれしいS級初優勝を飾った。
本人もビックリのS級初優勝だ。展開は中部と近畿の主導権争い。もちろん、中部の先頭を請け負う真鍋とは、真っ向からやり合う覚悟だった。ところが…。
「突っ張られたし、真鍋さんもオーバーペースだったので、一度は落ち着こうと。もう一度勝負と思って仕掛けたら、思いのほか車が出てくれて『まさか』って感じ。4角では『自分が先頭やん』てなって、そこからはもう必死でした(笑い)」。無欲つかんだ勲章に、初々しい笑顔がはじけた。
今後の自信につながる大きな優勝だが、だからといって何かが変わるわけではない。「ゆくゆくはGⅠへ(出る)という思いはあるけど、まずは自分のレースをして、そこから」と、当面は身上の積極策を貫き、さらに力を蓄えていく。
S級決勝進出はこれが4度目。「まだまだこれからです」。小細工なしの力勝負を繰り返した先に、さらなる飛躍が待っている。