競輪界の第一人者・神山雄一郎(56=栃木)が23日、取手競輪で今年最後の競走を1着で終えた。来期(2025年1月)からは約35年間在籍したS級からの陥落が決まっており、これがひとまずS級でのラストラン。24日には都内で会見を行い、進退も含め本人から発表があるとみられる。
決意を胸にしまい込んで臨んだ今年最後の一走は、熟練の番手差しで決めた。最終3角ではまくりで迫った同期の紫原政文をけん制し、返す刀で4角一気。愛弟子・飯嶋則之とのワンツーにスタンドからは暖かい拍手が沸き起こり、神山もファンからの声援に何度も手を振って応えた。
「紫原さんがまくってくるとは思わなかったけど何とか止められた。調子が悪かったらできない。あれが毎回出ればいいんだけどね」
今後へは「家に帰ってゆっくりして、それから」と話すにとどめた。それでも、レース後は「最後に自分らしいレースができた」としみじみ。この日の勝利で通算勝利数が909になったことにも触れ「手を抜いた36年じゃない。毎回毎回の積み重ね」と言い切った。
きょう24日には都内で会見が行われる。オールスター5回をはじめGⅠ優勝16回、KEIRINグランプリ出場16回、生涯獲得賞金29億円超…。数々の記録を打ち立てた競輪界のスーパースターが、大きな節目を迎える。