松山競輪のナイターFⅠ「九州スポーツ杯争奪戦」は24日、最終日を開催。S級決勝12Rは先手の3番手をキープした橋本強(40=愛媛)が、タテヨコ俊敏に立ち回り、直線を突き抜けて優勝を果たした。2021年の開設72周年記念GⅢ金亀杯争覇戦以来となる地元V。なお、人気を集めた中野慎詞は橋本のけん制に屈し、2着に終わった。

 有形無形の地の利を味方につけた橋本が、何でもありの総力戦で地元Vをもぎ取った。勝因は先手を握った青野将大―松坂洋平の3番手に位置し、3角で中野を阻んだプレーだ。「1回(中野の)スピードを殺さないと行かれていたと思う。ちょうどコーナーの入り口だったし、当たりやすい位置でした」と、してやったりだった。

 普段は追込稼業にいそしむが、今節は初日から前回りを買って出た。それは初日、決勝と連係した吉本卓仁がいたからだ。「隙あれば1周行こうぐらいの思いでした。連日、吉本さんのおかげで腹をくくれた。初日にまくりが出たから決勝も動けたと思う」と、これまで幾度も好連係を重ねてきた同期の存在が大きな後押しとなった。

 この先は、またいつもの持ち場に戻る。今、中四国は太田海也や犬伏湧也など、若手機動型の台頭が著しく橋本も大忙しだ。「去年、GⅠでイマイチだったし、今年は若手たちを援護して一緒に活躍できるように」と決意をにじませた。