武雄競輪のGⅢ「開設75周年記念 大楠賞争奪戦」は11日、二次予選をメインに2日目を開催した。11Rでは成田和也(46=福島)が目標不在になる緊急事態をさすがの立ち回りで切り抜けた。

 二次予選11Rは新山響平が急病で当日欠場になるアクシデントがあった。新山マークの予定だった成田和也は、何を考えたのか…。

「自分でやってまくれればいいんでしょうけどそんな脚はない。新山をメインにした11Rでしたし、新山がいなくなった以上、少しでもそれに応えられるような戦いをしないといけない」

 石原颯の後ろで小倉竜二とのジカ競りを決断し、競り勝って2着。小倉が「外で勝てるパターンでうまく走られた。さすが」と脱帽するテクニックだった。決して楽ではない道を選び、〝成田和也〟としての戦ってきた姿、ありのままをファンに見せる競輪があった。

 小倉は続ける。「周回中も無駄な動きがなくて、外でじっと回ってくれた」。やみくもにぶつかるのではなく、競り込む側として当然、外。マーク屋の技術と気迫を存分に発揮しての戦いに、他の選手から称賛の声が上がっていた。

 準決11Rは新田祐大との連係。これまで何度も好レースを繰り広げてきた仲間だ。地元勢を連れる太田海也のラインにとっては、一番の脅威になってくる。