四日市競輪のナイターGⅢ「大阪・関西万博協賛 ベイサイドナイトドリーム」は14日に3日目を行い、10R準決勝で地元の上田国広(41=三重)が2着に食い込み、GⅢでは2010年12月の広島記念以来となる決勝進出を決めた。
中部勢は栗山和樹―柴崎俊光―上田の並びで唯一の3車だったが、思わぬ苦戦を強いられた。打鐘で外から久保田泰弘、2センター過ぎには内から片岡迪之の単騎勢に襲いかかられてラインは崩壊。栗山とはぐれた柴崎―上田の地元2車は絶体絶命のピンチに陥った。
しかし、最終2角付近から柴崎が自力を発動。勢いをもらった上田は4角から外を踏み上げて決勝切符をもぎ取った。GⅢでの優出は15年前の一度きり。「1回しかないからよう覚えてます」と表情を緩めた。
2日目(13日)に二次予選をクリアし、準決へ駒を進めた上田は〝賭け〟に出た。「二次予選の状態のままでは決勝に乗れない。何か変えないとと思って新車に替えることにした」。ローラーで感触を確かめただけで実戦投入は初めて。裏目に出るリスクも十分にあったが、勝負したかいはあった。
最終日(15日)の12R決勝は谷口遼平に前を託して地元コンビで頂点を目指す。「優勝を狙う…なんて言ったら怒られますね」と冗談めかしつつも目の奥の炎はメラメラと燃えていた。