岐阜競輪GⅢ「開設76周年記念 長良川鵜飼カップ」は6日、3日目を迎える。S班の犬伏湧也、清水裕友はともに勝ち上がりに成功し、地元勢からは5人が準決に進んだ。その準決11Rで清水に任される西田優大(27=広島)が面白い存在だ。
弘法筆を選ばず、ということか。エース機が修正中で今開催で使用するフレームは師匠の吉本哲郎(広島・84期)からの借り物。「身長も2センチぐらいしか変わらないんですけど、セッティングがダメなんですかね。ビデオで乗り方を見返しても自分が別人のようで…。これ以上は良くならないと思う」と天を仰ぐ。
そんな状況下で一次予選は鮮やかな打鐘カマシで1着。5日の8R二次予選も格上の松井宏佑のホームカマシに合わせながら番手を奪い、2着で準決進出を決めた。それでも「タイミングが合ってうまくいったけど、まずは合わせきれるようにしたい」と結果に甘んじることなく課題と向き合った。
昨年8月に特昇でS級に上がり、じわじわと力をつけてきた。今年7月の小松島記念決勝では5車結束の徳島勢を相手に単騎まくりを決めてS級初優勝。全国のファンにその名をとどろかせた。
自転車に一抹の不安はあっても「体調的にはいいと思う」。S班の清水裕友を背負う準決勝は責任重大だが、気持ちを入れて栗山和樹先頭の地元ラインや北日本を連れる青野将大に挑む。