奈良競輪ナイターFⅠ「西日本カップ・秋篠賞」は25日、開幕する。前走の大宮でS級では初の地元Vを飾った中田健太(35=埼玉)は前検日の27日に心なしか誇らしげな表情で検車場入り。「優勝の反響は大きかったです。今回一緒の宿口陽一さんをはじめ、多くの人から『おめでとう』と祝福してもらいました」と、うれしそうに話した。
前を託した武藤龍生の仕掛けに乗ってゴール線をトップで駆け抜けた瞬間は、14年間の現役生活の中でも最上級にランクする思い出深いシーンとなった。「(ゴール後に)1角付近で龍生を見たら涙を流して喜んでくれていたんです。グッときましたね。同い年で、ともに親が元選手と境遇も同じで一緒に頑張ってきましたから。もらい泣きしそうになりました」
でも、中田は耐えた。「うれし涙は地元記念に勝って流したい」との思いがあったからだ。大宮記念は例年1月に開催され、次回も年明け1月15日に初日を迎える。しかし、中田は前期の失格が響いて来期はA級1班で出場できない。だからこそ「慢心しないようにしないと。ここからが本当のスタート」と自分に言い聞かせている。
初日は9Rに山本勝利の番手で臨む。昨年2月の小倉以来となる優勝にも浮かれることなく「しっかり練習してきた」という中田が大きな目標に向けて新たな一歩を踏み出す。