小倉競輪スペースナイトレースFⅠ「九州スポーツ杯×HPCJC」は12月30日~1月1日の日程で開催される。

「KEIRINグランプリ2025」の興奮冷めやらぬ中、競輪発祥の地で行われる2025年後期の最終戦に、11月の当地GⅠ競輪祭で優出の荒井崇博、山田久徳に、地元の北津留翼ら中部以西のトップレーサーが熱戦を繰り広げる。元日の頂上決戦を制するのは誰だ。

 九州軍団の総帥・荒井崇博が、25年後期のV締め&26年初笑いだ。進化続ける47歳は11月の小倉GⅠ競輪祭で準優勝。絶好位を回って初タイトルは目前だったが、阿部拓真の強襲でポロリ。検車場で悔しさをあらわにしていた姿が印象的だった。

 九州地区プロを挟んで、12月佐世保記念は体調管理に苦しんだが、地元の責任感で決勝に勝ち上がり、最低限の役割は果たした。ひと場所スキップして、心身ともにリセットできたはず。

 今期(2025年後期)はここまで13勝。1位回数上位30人が選考基準のひとつである、来年3月の防府GⅡウィナーズカップの出場権ゲットには至っていない。北津留翼と伊藤颯馬の大砲2門を擁し、後ろには2班ながらも高得点を有する渡辺豪大の盤石のシフトで白星を積み重ねる。

 地元の人気レーサー・北津留は不惑を迎えても元気いっぱい。ツボにはまった時の爆発力はいつまでたっても健在だ。直前の広島記念は準決どまりだったが、3日間で車券に貢献した。「マックスパワーが欲しくて」体重を増やした効果があったかどうかはすぐには分からないが、細部にわたって自転車に向き合う姿勢は後輩の良き手本だ。

 琉球の星・伊藤颯馬にとって25年はケガに泣かされた1年で、ビッグレースでは大きな着を並べてしまった。だがケガも癒え、11月の久留米で今年3度目のV取りに成功。仲間のサポートがあった美酒にしても、戦えるメドが立った。インフルエンザにかかった影響が響いた直前の防府は参考外で、苦手の寒さもドームなら問題なし。自慢の快速をフル回転させたい。

 中国を代表する機動型の町田太我が完全復活した。広島記念は無傷で決勝に勝ち上がり、ファイナルも果敢な走りで松浦悠士のVをエスコート。シリーズ途中には「過去イチ」と頼もしいコメントも飛び出すほど、表情は自信に満ちあふれていた。追い込みにシフトチェンジしつつある片岡迪之と、差し脚冴えている四国の名マーカー・橋本強とのライン形成で〝タイガーチャージ〟を繰り出す。

 2025年の輪界を席巻した近畿勢からは、山田久徳が参戦する。競輪祭では4年ぶりのGⅠファイナリストになった。ただ、直前の四日市初日に落車して2日目以降欠場しており、正味のジャッジは当日のコメント待ちになる。中部の大将格である柴崎淳のキレ脚は輪界でも上位。当地は競輪祭で優出歴あり、相性は悪くない。マーク戦か自力戦になるかはメンバー次第だが、軽視はできない。