平塚競輪場を舞台に熱戦が繰り広げられた「KEIRINグランプリ2025シリーズ」最終日の30日、10Rで「寺内大吉記念杯」の決勝が行われ、単騎で臨んだ元S級S班の山口拳矢(29=岐阜)が鮮やかなまくりで激戦を制した。
赤パンを脱いで迎えた今年は一発目の1月立川記念Vで始まり、最後も優勝で締めて「よかったあ~」と実感を込めた。初手で「森田(優弥)君が早めに行く可能性がある」と中団の関東3車の後位を確保。その仕掛けを追って前受けした北日本2車の前にハマり、最終2角過ぎに発進。中野慎詞らの猛追を振り切って1着でゴールし「自力が出ないと思っていたので行けてよかった」と満面の笑みを浮かべた。
昨年に続いて今年のGPでも中部勢は不在。近畿をはじめとした他地区に比べて層の薄さは否めない。今回も初日特選と決勝では単騎での戦いとなった。中3日となる1月立川記念の追加を受けたのは「中部の自力が多かったから」と屈託なく理由を明かしたが、拳矢にかかる期待は大きい。
地区全体の底上げには時間と労力を要する。それだけに拳矢は「Gレースでは準決が壁になっている。普段から多い単騎での動きを洗練していかないと」と課題克服を誓った。