開設73周年記念熊本競輪GⅢ「火の国杯争奪戦」in久留米は6日、福岡県・久留米競輪場で開幕した。初日の特選では守沢太志(38=秋田)と和田圭(38=宮城)が失格。嘉永泰斗(25=熊本)と山田英明(40=佐賀)が落車する大アクシデントが起きた。
嘉永は地元の新エースとして責任を身にまとい、気合十分で当大会に乗り込んできた。だが、初日特選12Rで落車に巻き込まれ負傷。「右下肢、頭部、肩、左腰部の打撲、擦過傷」と診断された。
さらに「かなり良かった」と、この日のために投入した新フレームも使えなくなり、まさに踏んだり蹴ったり。それでも二次予選を走ることにした。「地元じゃなかったら? 帰っていますね。もう地元の責任しかない。気持ち一本です!」と覚悟を胸に秘めた戦いとなる。
二次予選8Rは中川誠一郎(45=熊本)に任された。かつて熊本のエースといえば中川だったが、今は隠居を決め込んでおり「もう俺のワンマンチームじゃない。これからは泰斗(の時代)」と熊本競輪の未来を嘉永に託している。
新・旧エースの連係は昨年11月小倉GⅠ競輪祭の最終日以来4回目。そのときは8、9着と共倒れに終わっており、リベンジをかけた戦いとなる。「負傷兵ですが付いて頂けるなら頑張ります」と中川に挨拶を済ませて戦闘モード。
逆境を乗り越えられるか、真価の問われる戦いとなりそうだ。