大分県・別府競輪場を舞台に熱戦が繰り広げられた「開設73周年記念 オランダ王国友好杯」(GⅢ)は10日、最終日を開催し最終12Rで決勝戦(V賞金500万円)が行われる。地元の大塚健一郎(46=大分)もベストナインに名を連ねた。

 ただ一人、地元から準決勝に勝ち進んだ最後の砦が意地を見せた。3日目(9日)準決11Rは北津留翼の気迫の先行に乗ると、直線はタテに踏み込んで2着。6年ぶりに地元記念決勝の舞台に帰ってきた。

「二次予選で安東(宏高)君が落車してしまい、複雑な気持ちで準決に臨んだけど、なんとか勝ち上がることができた。(地元ファンの)大きな声援も力になりました」

 近年は度重なる大ケガに苦しんできたが、2月高知の全日本選抜で約2年半ぶりにGⅠ戦線に復帰。そして「ダービーは無理だったけど、それ以外のGⅠに全部出て(12月の)別府記念で勝負する」と自らにノルマを課し、その言葉通り、5つのGⅠに参戦。「GⅠの空気を吸ったことで自信が出ついたし、喝も入った」と脚力とオーラを取り戻し、地元記念で最高の結果を出した。

 あとは大一番の決勝を残すのみ。「今年1年間やってきたことの答えが出る。何着だろうと来年につなげたい。1年間、積み重ねてきたことを決勝で全て出したいと思います」と言葉に力を込めた。