松山競輪の「九州スポーツ杯争奪戦」が23日、幕を開ける。初日予選10Rの緒方将樹(25=熊本)は今期、A級格付けでスタートしたが、前回の2月奈良で3場所連続完全Vを飾り特別昇級でS級復帰を果たした。
失格過多による点数不足でA級戦を走っていたが脚力は断然上位。復帰までの5場所はオール連対の14勝で5連続Vをマークした。
「S降りの人と対戦した時は緊張したけど、新人や若い子が相手の時はそこまで。二段駆けシフトとかあっても、組み立てやスピ―ドに余裕があったから全然イヤじゃなかった。本当はストレート(A級初戦から3場所連続完全V)で上がりたかったけど、思いのほか長引きましたね」と、自信のレースを貫いたことで口も回る。
しきりに景気のいい言葉を繰り出していたが、頑張らねばならない最大の原動力は他にあった。それは父親で元競輪選手の緒方浩一氏からの激しい追及だった。「昨年末にオヤジから『定期昇級で上がろうとしているだろ? 特進せんかったら知らんぞ』って言われたんです」
浩一氏が、ひときわ甲高い声で将樹にゲキを飛ばす姿が目に浮かぶが、ひとまずは父親の注文には応えた。「ほとんど自力を出して9連勝できたのは自信になった。その部分をS級で生かしたい」
初日10Rは唯一のライン3車。つかんだ勢いをそのままに、万全のスパートで好スタートを切る。