奈良競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪GⅢ「開設73周年記念 春日賞争覇戦」が22日、開幕。その一次予選7Rでは、藤井侑吾(28=愛知)が圧巻の逃げ切りを見せた。
静ひつの短走路に衝撃が走った。前受けから下げ、打鐘前2角から怒とうの巻き返し。番手の笠松信幸は「なかなかないスピードだった…」、3番手・小林大介は「決勝に乗れる脚」と振り返った。歴戦の猛者2人をうならせた豪脚は本物だ。
インパクトある逃げ切りだったものの、本人は「打鐘前のところで車間が空き過ぎていたし、そういうところは詰めないといけない。それにバンクが全体的に重かったのもあるけど、ペースをもっとうまく。展開、組み立てもよりしっかりしたい」と堅実に、自身を分析する。
1月名古屋で平原康多や山田久徳、菅田壱道らを相手にS級初優勝を飾った。記念決勝にも何度か顔を出しているが、「まだS級でやっと優勝できたばかりなので、記念優勝を、とかは言えないですね。まずは決勝に乗ること、です」と現実を見つめている。着実に力をつけて、より上へ。
2日目(23日)の二次予選9Rでは地元の鬼・三谷将太と松岡健介に任された。すべては期待の表れ。問答無用のライン決着で、より大きなインパクトを与える。