奈良競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪GⅢ「開設73周年記念 春日賞争覇戦」は25日、最終日を行った。12R決勝は三谷竜生(36=奈良)が脇本雄太、古性優作との近畿別線バトルを切り抜け、地元記念3回目、GⅢ通算7回目の優勝を飾った。2着には三谷将太が続き、2018年大会以来となる兄弟ワンツー決着だった。

 近畿7人が3つのラインに分かれ、菅田壱道―守沢太志とのコマ切れ戦。前受けの古性が「脇本さんとの勝負と思っていた」と、敢然と力勝負を挑んでもがき合い。王者たちの意地の争いを菅田が間隙を縫ってまくりに出る。竜生は守沢をさばいて菅田を追いかける形から一番上をまくり切った。

「状態自体は良くなく、どうなるか…と思っていたんですが、あそこは体が勝手に動いた」と勝負どころで本能が爆発した。

 歓喜の兄弟ワンツーに場内は地面が揺れる。将太も「今開催は今までで一番ファンが多くて、声援がすごかった」と感動する光景だった。

 竜生は3月があっせん停止。体を整えて「もう1回GⅠ優勝を」と完全復活を目指す。闘争本能がつなぐ三谷兄弟が、競輪界を熱く盛り上げていく。