前橋競輪GⅢ令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 三山王冠争奪戦」は1日、幕を開ける。深谷知広、佐藤慎太郎、真杉匠のS班勢を中心にダービー王・平原康多や豪華メンバーの競演となったが、あっ旋停止から復帰の新田祐大(38=福島)もV争いに加わってくる。 

 準備は抜かりない。2月のGⅠ全日本選抜(岐阜)最終日の先頭誘導員早期追い抜きの失格による3か月のあっせん停止を経て、いよいよ新田が戦場に戻ってきた。

〝試運転〟となった「全日本プロ選手権自転車競技大会」(高知)では1キロメートルTTに出場。勝った菊池岳仁に0秒242差の2位という結果と内容には満足できなかったが、スタンドから誰よりも大きな声援を受けて「またこういう場で走りたいという気持ちが強くなった」。

 この3か月はナショナルチームとトレーニングを重ね、五輪候補選手たちの大会に合わせてピークをつくってメリハリをつけた。チームスプリントでパリ五輪出場を決めた長迫吉拓(チームブリヂストンサイクル)と寝食をともにする中で、体脂肪率も〝五輪レベル〟に絞り込んだ。

 不安なのはレース勘ぐらいだろう。「初めて7車立てを走った時ぐらいの感じ」と独特の言い回しで復帰戦への思いを口にしたが、2022年にGⅠ寬仁親王牌を制して史上4人目のグランドスラマーとなった思い出の地で〝シン新田〟がベールを脱ぐ。