奈良競輪で熱戦を繰り広げたGⅢ「第9回大阪・関西万博協賛競輪」は最終日の9日、12Rで決勝戦が行われ、2角からまくった伏兵・大矢崇弘(33=東京)がS級初VをGⅢ制覇で決めた。3連単は33万円超えの大波乱決着となった。
誰がこの結末を予想できただろうか。デビュー10年目。F1でも優勝経験のなかった男が、2回目のGⅢ決勝で初Vを決めるビッグサプライズ。「最近は調子がいいと思っていたけど、まさか優勝できるとは…」と自身も驚きを隠さない。
準決勝に続き決勝も単騎となったが「内でも外でも、とにかく前々に行こうと思っていた」と強い気持ちで道中、内々をスルスルと上昇。2角からは「覚悟を決めて」仕掛けると、3角で九州ラインを乗り越え、最後は地元・元砂勇雪の追撃を振り切った。
これでGⅠ競輪祭(11月・小倉)の出場権をゲット。キャリア初となるビッグ参戦に「GⅠは遠いものだったのが、急に近くなってしまったので、もっと頑張らないと」と、憧れの舞台へ向けて決意を新たにした。