宇都宮競輪の大阪・関西万博協賛GⅡ「第40回共同通信社杯競輪」は16日、最終日を迎える。11R決勝に名を連ねた一人・荒井崇博(46=長崎)は九州3車の総合力を生かし久々のビッグ制覇を狙う。
九州地区は選手層の厚みこそあるがビッグ戦線となると複数人で決勝に乗る機会は激減し、いつも荒井や山田庸平が孤軍奮闘している印象が強い。ところが今回は荒井に北津留翼、山崎賢人と3人が勝ち上がった。「これだけ乗るのは(園田)匠と庸平との2年前の高松宮記念杯(岸和田)以来やね」と明確に記憶していた。
決勝は山崎が強い気持ちで前回りを志願したため、その後ろに北津留―荒井で並ぶ。自力コンビの思いを受け当然、鼻息も荒くなる。
「ビッグの決勝ともなれば、長崎は長崎とか言っていられない。ただでさえ機会が少ないんだから九州はひとつにならんと。それに翼は、賢人に『頑張る!』と言われて後ろに俺がいるんだから相当、責任感を持って走るでしょ(笑い)」
今年46歳を迎えたが体はいたって元気。緩やかに下降線をたどるのが年齢的には自然だが、老いにあらがい年齢を重ねるごとに強くなっている。機はすでに熟し終えたが、2001年12月のヤンググランプリ(平塚)以来、約23年ぶりのビッグ制覇へ大きなチャンスが訪れた。
「勝ちたいね。やっちゃおうか!」
九州を支配する〝暴君〟が大きく身を乗りだした。