平塚競輪ナイターFⅡ「楽天・ケイドリームス杯」は26日に開幕し、3Rのチャレンジ予選で新人の角田光(25=福島)が人気に応えて1着スタートを切った。前受けからの突っ張り先行で別線を完封。加美山隆行とのラインでのワンツーに「作戦通りでした」と納得の表情を浮かべた。

 どうしても雪辱したい理由があった。前回函館では3着、2着で決勝に勝ち上がったものの、競走前のアクシデントで欠場を余儀なくされ、レースそのものが中止になってしまったのだ。

「脚見せ(選手紹介)の前に深呼吸をしたら、あごが外れてしまったんです。応急処置をしていただいたけど、あごはハマらなくて…。それでも走るつもりではいたのですが、レース自体が中止になって、いろんな方にご迷惑をおかけしてしまいました」

 もちろん「人生初の経験」だった。先輩選手からは「30年やってきたけど初めて見た」と驚かれたという。すぐに病院で検査を受け「顎関節脱臼」と診断された。あごは無事にハマって翌日には練習も再開できたそうだが、角田はこう固く誓った。「もうレース前に深呼吸はしない」

 27日の準決勝は関東勢が付いて唯一のライン3車となった。同期で1着スタートの梅沢忠秀、伊藤翼―藤田和彦の南関2車とライバルも侮れないが、初見参の当地バンクに「思ったよりも軽かった」と好印象の角田が自分のタイミングで仕掛けて決勝へと突き進む。