平塚競輪ナイターFⅡ「楽天・ケイドリームス杯」は27日、2日目を行い、12R準決で新人の森田一郎(23=埼玉)が前期までS級だった橋本智昭を最終2角5番手からひとまくり。ピンピンで優出を決めた。

 やはり前期までS級だった初連係の寺沼伊織も付いていくだけで精いっぱいだった。最終周回23秒1、上がり11秒3はいずれもこの日の一番時計で「爆発力がハンパなくて(自分の)脚がついてこなかった」と寺沼。その印象を「ナショナルチームっぽい感じ」と言い、あえて過去に連係した東京のS級選手に例えるなら「ダッシュは武田亮を強くした感じ」と語った。

 この日は二分戦。寺沼によれば、まくりに構えたのは作戦通りで、森田も「橋本さんに胸を借りるつもりで臨んだ。負けたくなかったし、気合を入れた」という。終わってみれば、鮮やかな快勝劇。それでも森田は「ああいう展開になったら、ただのまくりでは意味がない。自分の弱いところが出てしまった」と反省を口にした。

 番手の寺沼はなんとか2着を確保したが、3番手の梅山英樹はダッシュに付いていけず7着。S級でも信頼してもらえる選手を目指すだけに、自分が勝っただけでは素直に喜べないのだろう。

 28日の12R決勝は森田の後位には初日に連係した野中祐志が付き、寺沼が3番手を固める。競走内容に納得できない点があるとはいえ、森田は「体の反応はいいし、調子もいい」と状態面に不安はない。連勝を14に伸ばしてS級への特別昇級に〝マジック4〟とした期待のホープは、まだまだ快進撃を続けていく。