川崎競輪FⅠナイター「おつけもの慶21周年カップ」が29日に開幕し、6Rガールズ予選1は逃げる永塚祐子の番手につけた鈴木彩夏(29=東京)がゴール前で差して1着。3連単21万7540円の高配当をたたき出した。
よほどうれしかったのだろう。レースを終えて検車場に戻ってきた鈴木は、自ら「昨年7月の青森以来の予選1着です」と切り出した。はっきりと覚えているのは、その翌日に〝悪夢〟が始まったからだ。落車で右鎖骨と肋骨を骨折。復帰に4か月を要した。
リハビリ期間中もモチベーションは保てていたが、実際にバンクに戻ると予選では大きな着が続いた。3日間開催でオール7着の屈辱を2度も味わい「復帰してからダメで、気持ちの面でしんどかった」という。
それでも踏ん張ることができたのは、周囲のサポートがあったからだ。同期に先輩。そして何よりの支えになったのが、元選手で師匠でもある父・康雄さん(引退=53期)の存在だ。
「些細な変化にも気づいてくれて、アドバイスをくれる。家族だからぶつかることもあるけど、いつも励ましてくれました」
鈴木は「GⅠにも出られるようになりたい」と大きな目標を掲げる一方で「コツコツと頑張って目の前の小さな目標からクリアしていく」とも言う。しっかり足元を見つめ、まずは2日目(30日)の6Rガールズ予選2で2場所連続の優出を決める。