別府競輪「大阪・関西万博協賛 別府市制100周年記念事業 別府競輪GⅢナイター」が14日、幕を開ける。川口聖二(30=岐阜)は明るいキャラで有名な輪界きっての人気者。先月の地元記念の悔しさを胸にしまい、再び前を向いて歩き出している。

 抜けない矢が突き刺さった心に同県の偉大な先輩が、燃える言葉をかけてくれた。「これでまた、強くなれるって」。優勝も…と思わせる勢いで勝ち上がった9月地元の岐阜記念。初日、2日目を連勝――。しかし、準決は急な変調に対応し切れず、村田祐樹のカマシに離れて夢が散った。

 灰色の世界が眼前に広がり、前に進もうとすればするほど闇が近づいてきた。こんな悔しさは、ない。ふさぎこむ聖二に「また強くなれる」と声をかけてくれたのが山口幸二(62期=引退)さんだった。胸のつかえは消え去り、「あれで村田君は自信を付けて、富山でS級初優勝を決めたんですよね。俺のおかげですよね」とまくしたて、いつもの明るさを取り戻した。

 瞳は輝き、来年への展望が開ける。「BIGになりたいんで…」。今年は5月いわき平ダービーの準決進出と確かな躍進があった。今回GⅢ初優勝を手にし、来年へ…。南関両者が任せてくれる初日12R特選から、流れをつくる走りをみせる。輪界一の盛り上げ男。勝利者インタビューで「せ~の、ヨイショマン!」をファンとともに決めてみせる。