武雄競輪のGⅢ「開設75周年記念 大楠賞争奪戦」が10日、開幕した。一次予選では今期苦戦が続いていた地元の金ケ江勇気(28=佐賀)が混戦を突いて2着と勝ち上がりに成功。今節は久々に目立ちそうなムードが漂っている。
今期得点は94・96点と崖っぷち。S級点確保を下回る苦しい戦いが続いていた。しかし前検日、検車場に現れると「人が違いますから」と言い放った。昨年の当大会は1着、1着、6着、1着と大暴れ。地元の声援を力に変えて、活躍した。思い出すあの盛り上がりを胸に、逆襲を誓っていた。
初日の一次予選7Rは一門の大師匠である闘将・佐々木昭彦氏の「とにかく前に踏んで行け。内が空いたら踏んで行け」の言葉を体現するように、ガムシャラに踏み込んで2着に入った。最終4角からはVロードも開けたが伸びは微妙で「あれで2着が、カ・ネ・ガ・エ」とさびしく笑った。
二次予選8Rは橋本宇宙に任せ「宇宙まで連れていってもらいます」と虚空を眺めた。他のメンバーは強烈そのもので、どう猛なヨコの動きも兼ね備えた選手が多い。だが「噛みつきます」と牙をむき出しにした。地元記念初出場に燃える橋本と力を合わせ、むき出しのカネガエはハードに暴れる。