久留米競輪ナイターFⅡ「オッズパーク杯」は17日、2日目を開催。2RのA級チャレンジ一般戦で還暦レーサー川添輝彦(60=沖縄)が通算300勝を達成した。
道中は竹田慎一目標から鋭く突き抜けての快勝で、レース後は「ハハハ、ようやくでしたねぇ」と控えめにハニかんだが、区切りの1勝を遂げ、達成感に満ちていた。
川添は1985年9月に20歳でデビュー(佐世保競輪場)。大舞台での活躍はなかったが、堅実な立ち回りで40年の長きにわたり白星を積み重ねてきた。同期の現役は今では中沢孝之(60=大阪)、長谷俊昭(59=岡山)と川添の3人だけ。「中沢は口も回って元気だけど、みんな一気に辞めちゃったね。自分も膝や腰が痛むし必死ですよ」とコボしつつも、ひょうひょうとしている。
昨年後期はA級2班に在籍したがスピードに対応できず成績を落とすと、そこから練習内容を見直し、下り坂に抗うように取り組んだ。自力選手の踏み出しに対応するために軽いギアをひたすら回して反応を鍛え、筋肉や神経に関する情報があるとSNSやユーチューブ、はたまた論文まで読みあさって幅広く情報を集め、自身に合うトレーニングを探すべく試行錯誤を重ねた。
「でもね、そのなかでも使えるのって10個あれば1個ぐらい。嘘を見抜く力が磨かれましたよ(笑い)」と苦笑いするも、探求心は旺盛だ。老いに抗う姿勢は他のベテラン選手たちにとっても興味の的で、最近は面識のない東日本の選手が話を聞きに訪れることもあるという。「休むと次の日が疲れるから。動くと老廃物も抜けるし、いつも何かしらしていますよ。完全休養は寝ているときぐらいでちょうどいい(笑い)」と話すように、日々の積み重ねは相当なものだ。
今後の目標には師匠・菅野良信(40期=鹿児島・引退)氏が残した346勝の更新を挙げた。「遠いね。あと5年はやらないといけないな」と話したが決して無理な話ではない。
また、2班への復帰も視野に入れている。「2班は大変ですよ。でも膝と腰が丈夫ならいけそうな感じもあります」と意欲的だ。このレースでは御年63歳の佐々木浩三が川添の後ろを固めた。「すごいですよね。浩三さんの年齢をまずは超えないと。あとは、野崎修一(62=栃木)さんもいるか。みんなすごいなあ。頑張ろう!」と先輩たちを引き合い出しつつ、まだまだ意気軒高だ。