福岡県・久留米競輪場で開催中のナイターFⅡ「おトクにPLAY! オッズパーク杯」は25日、2日目を終えて最終日(26日)の番組が決定した。熊本の大ベテラン・西島貢司(56=熊本)は代謝制度により、最終日1Rが事実上のラストランとなる。
西島は64期生として1989年8月松阪競輪場でデビュー。そのレースで落車し、華々しいより〝痛々しい〟門出になったが、一番の思い出と話し、36年4か月の選手生活を「早かった。若い子、先輩、みんなが面白くて普通では味わえない生活ができた。この年までできたので燃え尽きるまでやれた。思い残すことはない」と振り返った。
選手として活躍しながら、日本競輪選手会熊本支部長の要職を長らく務めた。後進の指導、育成をしながら、2016年の熊本地震で激しく損傷した熊本競輪場の復興に心血を注いだ。存廃問題にも揺れた難局を乗り越え、昨年9月の本場レース再開にこぎつけた。今年10月の前橋G1寬仁親王牌では嘉永泰斗が優勝して熊本県勢では6年ぶりにG1タイトルを獲得。競輪大国にかつての熱量が戻ってきたことに触れ、西島は「熊本競輪場ができたことが収穫。あと、嘉永がG1を取ってくれてうれしかった」と責務を全うして充実した表情を見せた。
今シリーズには弟子の緒方慎太朗、米村光星に西島の弟弟子にあたる合志正臣ら同じ熊本の男子選手に加えて、姪のガールズレーサー西島叶子も参加しており、23日の前検日は何度も何度も記念撮影に応じた。今後の活動は未定だが、関係者の要望もあり、来年2月に熊本で開催されるG1「全日本選抜競輪」の準備に携わることは決まっている。が、その前に選手として完全燃焼だ。272回目の1着を目指して真崎章徳の番手から執念の踏み込みを見せる。