奈良競輪ナイターFⅠ「西日本カップ・秋篠賞」は25日に開幕し、8RのS級予選で地元の田中大我(27=奈良)が前受けからの全ツッパで1着スタートを切った。

 会心の逃げ切りには地元の先輩たちの支えがあった。レースでは番手の伊代野貴照(45=奈良)が金沢竜二のカマシや終盤での長井妙樹のまくり追い込みをしっかりさばき「気持ち良く走れた」。その走りを可能にしたのが新たに導入したステム(ハンドルを支えるパーツ)で「ずっと探していた120ミリのステムを田村風起(30=奈良)さんがクリスマスプレゼントでくれたんです。付けてみたら感じが良かった」と感謝した。

 自身の努力もある。1か月ほど前に体調を崩したのを機に「初めての禁酒」に挑戦。ここまで20日以上続け、地元戦に向けて体調も良くなったという。「どうせ正月になれば飲むんですけど、それまでは(禁酒を)続けたい」と力を込める。

 26日の12R準決では奈良のエース三谷竜生(38=奈良)に前を託された。「地元のS級戦では決勝に乗っていない」というが、禁酒とクリスマスプレゼント効果で〝ガラスの天井〟を突き破る。