京王閣競輪ナイターGⅢ「開設74周年記念 ゴールドカップレース」は31日、最終日を迎える。12R決勝は若手自力型が大挙して進出の大激戦。初の記念決勝進出を決めた中釜章成(26=大阪)もその一人だ。
SNSでも人気のクセ者は3日目(30日)の準決1着に「おっしゃ、120点と37万円!」。若干、品のないような表現にも感じられるが、常にリアルを語る男だけに、現金の話をしてもさわやかだ。そんな中釜の周りには「おっ! 初決勝!」「やったな!」と祝福の声があふれた。
準決11Rは北井佑季と町田太我という大砲2人がいる構成だった。静かに身を潜め「やれ、やれ、と思ってました」と消耗を祈り、勝負どころでためた脚を爆発させた。
にぎやかな日常をもたらすのが持ち味だが、大阪の選手たちからの評価は違う。「アイツが一番真面目に練習してますよ」。この言葉を取材でよく聞く。中釜が敬愛している北川大五郎などは「中釜は、実はメチャクチャ真面目!」と目を見開き、語気強く証言するものだ。
決勝はライン分散の激戦になる。ラインを重んじる時の中釜は「絆発動」で逃げるケースがあるものの、ここは流れに応じての対応になる。
「賞金ボードを持つ練習をしておきます」。弾丸まくりで記念決勝初進出初優勝の快挙を成し遂げる。