２０２３年の掉尾を飾る「ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０２３シリーズ」が１２月２８日～３０日の３日間、東京都・立川競輪場で開催される。２９日の「ガールズグランプリ２０２３」に出場する児玉碧衣（２８＝福岡）の今年はどうだったのか、また「アレ」への思いを聞いた。

「一年というのはあっという間ですねえ。落車したのが、一昨日ぐらいって感じですよ。めちゃくちゃ鮮明に覚えている。早いわあ～。もう来年、２９（歳）になっちゃう」

　昨年の平塚大会――。アオイはバンクに打ちつけられ、ゴール線を越えることなく終了。転倒のダメージは激しく、初の骨折（左鎖骨骨折）を経験し、入院生活を余儀なくされた。

　２０２３年はマイナスからのスタート。鍛錬で積み重ねてきた〝貯金〟は瓦解。１月末の久留米で復帰してからも、思うように走れない、勝てない、自分にもどかしく悔しかったが、走れる喜びを感じる初心を取り戻せたことがよりどころだった。

　ガールズケイリンは今年で１１年目に突入しグランプリを頂点とするレース体系が構築され、新設されたＧⅠを勝てば、ＧＰ切符が手に入る。賞金レースで出遅れていた児玉だったが、６月岸和田パールカップで〝一発ツモ〟。切符獲得第１号となり、高みの見物へ立場を逆転させた。

　１２月８日に福岡県・久留米市内のホテルで行われた自身のＧⅠ祝賀会であいさつに立ったアオイは「応援していただいたお客さんが自分のことのように喜んでくれる姿を見て、嫌いな道（＝練習）を頑張ってきてよかった」と、当時の心境を涙ながらに話していた。

　８年連続８回目の夢舞台。「グランプリっていろんなレースと違って雰囲気から全然違うから、何回走っても慣れない、緊張しまくり」。佐藤水菜らナショナルチームとの対戦がクローズアップされそうだが「意識しすぎると自分のレースができなくなる。出し切ることを考えて走ったら（勝った）ドリームレースみたいなレースができる。一番は自分らしいレースをすること」と周囲の雑音はシャットアウト。自分の力のみを信じる。

「笑って終われるように頑張ります」

　３年ぶり４度目の女王奪還を胸に誓い決戦の地・立川へと向かう。