令和6年能登半島地震復興支援競輪の久留米競輪ナイターGⅠ「オールガールズクラシック」は28日に決勝が行われ、児玉碧衣(28=福岡)が勝利。優勝賞金750万円と「ガールズグランプリ2024」(12月29日、静岡)の出場権を獲得した。GⅠ優勝は昨年6月岸和田パールカップ以来2回目。特別レースVは単独トップの11回目。なお、総売り上げは30億1413万円超で目標の26億3000万円をクリアした。

 完全復活した地元のエース・碧衣が、ガールズ最高峰レースのテッペンに立った。ヒロインはファンに何度もうなずきながら、左拳で小さくガッツポーズで喜びを表現した。

 最終決戦は勝ちにこだわった。「道中は落ち着いて走れたかな。カマす勇気はなかったので、まくり勝負。出切ってからはしっかり踏めた」。場内に響き渡った「アオイコール」が背中を押し、自慢の豪脚が火を噴いた。

 昨年の立川GGPでは佐藤水菜らナショナル勢の後塵を拝し、反撃を誓った今シーズンだったが、2月に胃腸炎を患い、出はなをくじかれた。3月別府で復帰したものの、同月取手ガルコレでもまさかの最下位。この敗戦で力のなさを痛感したアオイは〝本気スイッチ〟が入った。

 取手が終わった次の日から始動。脂肪が落ち、筋肉が付いたことで引き締まった〝エンジン〟に加え、師匠の藤田剣次に自転車のセッティングを見てもらったことで、ロスなくペダリングできるようになった。大会参加前には大好きなアーティスト・倖田來未のライブに行き、パワーをもらったことも大きかった。

 この優勝でGGP切符獲得一番乗り。昨年同様に高みの見物となるが、「気持ちを切らさないように」とカブトの尾を締めた。8月パリ五輪後はナショナル組も帰ってくる。「今の力ではナショナルチームには勝てないので、向上心を持って練習に励みたい」。最強の女子は真の女王奪還までノンストップだ。