岸和田競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛ガールズケイリンGⅠ「第2回パールカップ」の決勝戦が13日に行われ、石井貴子(34=千葉)が奥井迪(42=東京)の先行を差し切って優勝。賞金540万円と年末のガールズグランプリの出場権を獲得した。
信じられないと、ほっぺたを何度もつねった。クールな風貌とは裏腹に昭和的、古典的なやり取りが好きなおたかさんは、おどけるようにほっぺたをつねった。
「ちょっと痛いです。良かった(笑い)」
遠ざかった大舞台――2021年5月京王閣の落車では生死の境をさまよった。遠ざかっていた。地道な努力で昨年創設されたガールズGⅠの出場権を手にし、いきなりの優勝。信じられなかった。「とにかく一日一日、できることを」と決勝も7番車での組み立てを考え、勝負に挑んだ。持ち前の勝負度胸、その根性でゴール線を1着で…。
「恵まれたんだと思います。今開催は同期や仲間、千葉のお兄さんたちも支えてくれて」
自分の力でつかみとった優勝だが、周りの力としか思えなかった。ゴール後は「奥井(迪)さんがすぐに『おめでとう!』って言ってくれて。ゴールしてすぐに涙が出たのは初めてでした」といつも冷静な心が揺れた。
これで12月静岡で開催されるガールズグランプリにも4年ぶりに復帰する。「6月にグランプリのことを聞かれるなんて思ってもいなかった」。これからまた未知の時間に突入する。不死鳥は何度でも羽ばたく。ガールズケイリンの歴史に尊い物語が刻まれていく。