青森競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設74周年記念 みちのく記念競輪 善知鳥杯争奪戦」が26日、開幕する。地元エースの新山響平と先日、宇都宮GⅡ共同通信社杯を制した真杉匠のS班両者が大会の両輪となる。また、地元勢では初日予選メインの11Rに登場する永沢剛(39=青森)にも注目だ。

 予選メインを走る地元の永沢が泣いている。直前に走った福井決勝で落車の憂き目にあったからだ。幸い、右肩の打撲と擦過傷程度で済んだが、満を持して臨む地元記念を前にダメージを受けたのは痛恨だった。

「決勝は自分からも売れていたしホント申し訳なかったです。まだ痛みが残っているし、それに中4日でしょ。もう厳しいです…」

 もともと歯切れのいいコメント発するタイプではないが、今回はさらに悲愴感が漂う。しかも初日は吉田拓矢を目標に得たことも永沢の心をえぐる。「吉田君と連係はあります。強さは知っているし、だからこそ今から追走が怖いんです」

 典型的な〝地元番組〟であり、本来なら吉田クラスが配置されるのは光栄なこと。思い切り甘えたいが、状態未知のおぼつかない現状では喜んでもいられないのだ。

 だが、永沢の最大の特徴は〝泣き″のコメントが出たときこそ必要以上のパワーを発揮するところ。これまでも徳俵に足がかかったところから猛然と踏ん張り、立て直すシーンを多くみてきた。ここも有形無形の地の利を味方に付け、泣きの一手を力に変えてみせる。