川崎競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「全国都市緑化かわさきフェア開催 川崎市制100周年記念」が11日、開幕した。予選7Rでは頸椎損傷の大ケガを克服した坂口晃輔(36=三重)が快勝し、約4か月ぶりの白星を飾った。
「1着は遠い先のことだと思っていました。周りに助けられていると、しみじみ感じています」。6月弥彦の準決以来となる118日ぶりの勝利を感慨深げにかみしめた。
6月にバンク練習中の落車で頸椎損傷。約2か月半の休養を経て8月富山GⅢで復帰も体のしびれなどから再び1か月休んだ。練習で脚力は維持できても体は悲鳴を上げている。後方確認などで首を動かすと「電気風呂に入っている感じ」になり、脚の生み出すパワーに腕が耐えきれなくなることもあるという。
医師からは「半年、1年は走らないでしょ?」と言われ、セカンドオピニオンやサードオピニオンも「なんで選手は走りたがるんでしょう」と首をかしげていたそうだ。それでも走り続けるのは「バンクの上でなら気持ちよく散ってもいい」との思いがあるからだ。きれいごとではなく、純粋に「特別競輪とか走りたい」という意欲と向上心が満身創痍の体を突き動かしているのだろう。
初日の7Rでは打鐘先行の纐纈洸翔(22=愛知)をマークし、きっちりと差した。155センチの忍者は「セカンドインパクトで不随とかになる」という恐怖とも戦い続けていく。