別府競輪の「大阪・関西万博協賛 別府市制100周年記念事業 別府競輪GⅢナイター」が11日、開幕した。積極的な走りが身上の岩谷拓磨(27=福岡)には今節も九州の先導役としての大きな期待がかかる。地元勢2人に任された初日も気迫あふれる走りでラインを上位独占に導いた。

 責任を背負った時こそ、真価を発揮する。初日の一次予選はトリの11Rで地元の大西貴晃―菅原晃に任された。前受けから7番手に下げると「菅原さんまで」を意識して、踏み込んだ。2センターから加速はスムーズで、前団に気持ち良く迫っていった。だが…。

「タイヤがスリップして、ヤベ! 転ぶかと思った。ホームのところでちょっと空いていたので縫っていこうとしたんですよ」

 真後ろにいた大西も「あれはヤバかった」と一瞬、青ざめる状況。何とか立て直すと、志村太賀のけん制を乗り越えてライン3人で出切るにいたった。志村としても地区は違うが同い年で初連係となった蒔田英彦が逃げる展開に胸を熱くし、なんとかしないと、と激しく車を振ってきたのだった。

 二次予選は10Rに登場する。平素は緩やかな笑顔を見せることが多いが、責任を背負ったレースでの走りが激熱なのはつとに有名。これからもそれを貫いていく。「気持ちを込めて、全力疾走」。〝不動會〟の若武者に期待されるものは大きい。全力で、応えてみせる。