防府競輪のFⅠ「第28回山頭火賞争奪戦」は22日、2日目を開催した。準決11Rは高橋晋也(30=福島)が豪快戦で別線を完封。初日落車の不安を一掃した。

 万全ではない中で強さを見せつけた。準決は初手で中団に位置すると、今村麟太郎が切った上を叩いて赤板前からの先行策。別線には手も足も出させず川津悠揮、中川貴徳との3人でライン上位独占を演出した。

 初日に落車し「久しぶりにムチウチみたいになっている」中での完封劇は気持ちに後押しされたものだった。「落車した後だったのに川津さん、中川さんに『どんなレースでもいい』と任せてもらったし気持ちが入っていた。先行する気しかなかったし後ろの援護が心強く駆けられました」。手負いでも自身に託してくれた思いを力に変えた激走だった。

 今年出場したGⅠ、GⅡではすべて予選敗退…。過去にはGⅡウィナーズカップで2回の優出経験もあるだけに来年はビッグ戦線での躍動も期待されるが「僕は目の前の一走、一走ですから。来年の目標を考えていないわけではないけど、今まで遠く(の目標を)見過ぎてダメだったし一走、一走なんです」。はるか先より目の前を大事にしている。

 最終日(23日)の決勝は初日特選も目標だった大川剛に前を託して2022年10月以来の優勝を果たし次走へ、来年へ、未来への道を切り開く。