グランプリ出場をかけた最後の戦いが迫る。大阪・関西万博協賛として行われる小倉競輪GⅠ「第66回競輪祭」(19~24日)とガールズGⅠ「第2回競輪祭女子王座戦」(19~21日)で究極の勝負に挑む選手たちの中でも、注目を集めるのは石井寛子(38=東京)だ。
バンクの忘れ物はバンクで取り戻すしかない。賞金ランキング6位で臨んだ昨年の競輪祭女子王座戦は、まさかの準決敗退。デビュー年から続いていた年末のガールズグランプリ(GGP)出場を逃した。
1年間の締めくくりとなる大一番へ舞い戻るためにも競輪祭女子王座戦は越えなければならない壁だ。間近に控えているからではなく「ずっと前から、それに向けてやっている」。上位陣と同じ土俵に立つため、直近は「中1日とか中2日は無理だけど、中3日なら崩さずにいけるイメージはある」と積極的に追加を受けた。
9月以降の7場所で6Vに準V1回。着々と賞金を積み上げた。「いい状態っていうのはなかなかない」と言いつつもコンスタントに結果を残せているのは「常に平常心で一戦、一戦。お客さんへの感謝を忘れず、ブレず、ブラさずに臨んでいる」からだろう。言葉にするのは簡単だが、信念を持って続けるのはたやすくない。
その先にあるGGPへの思いには並々ならぬものがある。「やっぱりグランプリに乗れないのは寂しいし悲しい。何のためにやってきたんだろうという気持ちになる」。そんな悔しさを味わうのは一度だけでいい。今年1月にガールズでは前人未到の通算600勝を達成したレジェンドは、万難を排してGGPへの最終関門に臨む。