大垣競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設72周年記念 水都大垣杯」が30日、開幕する。地元エースの山口拳矢と松浦悠士(34=広島)のS班2人に、今年のグランプリメンバー・北井佑季や、世界で活躍する中野慎詞らが激闘を繰り広げる。昨年のグランプリ覇者・松浦は6年連続のグランプリ出場に届かず、何を思うのか。

 松浦の新章は大垣から始まる。

 競輪祭決勝は6年連続のグランプリ出場がかかっていたが3着でその道は途絶え、S班からの陥落も決まった。ただ、4連勝で決勝まで進んだように「やれることはやったし悔いはない。自分自身、いいレースはできたので」。シリーズを通して本来のパフォーマンスを見せられたことには納得していた。

 今年は3月取手GⅡウィナーズカップ、6月岸和田GⅠ高松宮記念杯と大舞台での落車があり満身創痍の1年だった。今はそこから立て直せてきた実感があるからこそ、S班を取り戻す戦いが始まる来年へ向けては「ケガをしないでいきたい」。言葉自体は当たり前のものでも、その重みは文字数以上のものがある。

 完全復活への序章となる今節は「自力でどうか、というのが問われる」開催と位置づけている。初日特選12Rも単騎勢の後ろは選り取り見取りだったが「しばらくは中四国以外に付くことは考えていないので」と単騎での自力戦を即決した。一歩一歩、それでも着実に、1年後の年末は超大歓声の中に戻ることを誓って脚力を再び向上させていく。