四日市競輪のナイターFⅠ「WNR CTC杯」は10日、初日を開催する。シリーズリーダーを務めるのは〝タイトルに近い男〟犬伏湧也(29=徳島)だ。

 その強さは誰もが知っている。昨年は6Vで7月の地元小松島と10月京王閣でGⅢも2つ取った。11月のGⅠ競輪祭(小倉)では最後まで脇本雄太に食い下がっての準V。初めてGⅠの決勝で確定板に名を連ね、もはやビッグ制覇も夢物語ではなくなった。

 しかし、負けた悔しさ以上に本人にはこんな思いがある。「昨年のGⅠで決勝に乗れたのは一度だけ。アベレージで上がれるようにしたい。回数が多くなれば、それだけチャンスも出てくる。大事なのは安定感で、そのためにも練習量を増やしていきたい」。手が届きかけたからこそ、やるべきことも明確になった。

 実戦は12月の松山GⅢ以来で1か月ほど空いた。年末のKEIRINグランプリ(静岡)の補欠に入っていたこともあるが、直前にきた追加はすべて断った。「練習は計画的にできたし、プラスに働いてくれたら。動きはいいと思う」と手応えも感じている。

 いつまでも「未完の大器」とは言わせない。当面の目標は2月のGⅠ全日本選抜(豊橋)となるが、まずは1番車で臨む10日の12R初日特選に全力投球する。