小倉競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「第19回吉岡稔真カップ争奪戦」は9日、2日目を開催。二次予選11Rでは岸田剛(26=福井)が別線完封でラインを上位独占に導く逃げ切り勝ち。前回の富山記念でGⅢ初優出を決めた勢いはさらに増している。

 初日特選こそゴール前で原田研太朗のまくりにのまれて「悔しい」2着だったが、連日の先行力は目を見張るものがある。「(相手が)ここから踏み合いになるのは嫌だな、と思うようなところから僕は踏んでます。イメージづくりは大事かなと思うので」。自身にも厳しい〝長距離戦法〟だが、相手に恐れを抱かせた上で一番ラインを生かせる走り。なにより、それを遂行する力が付いてきている。

 上昇カーブを描けている理由のひとつに福井の練習環境がある。「(師匠の)脇本(雄太)さんにアドバイスをもらえるし、寺崎(浩平)さんも練習仲間。超一流2人がいる環境です」。輪界を代表する選手はこれ以上ないお手本で「早く(2人に)追い付きたいけど、なかなか(苦笑)」と現状を話すものの、同じレベルに達する可能性は秘めている。実際、初日特選で岸田の番手を回った芦沢辰弘からは「『片鱗がある』と言われて、うれしかったです」。

 前検日には11月に当地で行われるGⅠ競輪祭の出場権取りも目標に掲げていたが、今の勢いならGⅢの舞台でのS級初優勝まであっても不思議はない。準決11Rも積極策で魅せて勝つ。