大分県・別府競輪場で今年2回目のGIII開催となる「令和7年度 施設整備等協賛競輪 GIIIナイター」が16日、開幕した。一次予選7Rで南潤と好連係を決めた柴崎淳(39=三重)の胸に去来するものがあった。
南の姿に、かつての自分の影が重なる。いつかの少年が、そこにいる。「才能は俺より上」。一次予選7Rで南のまくりを追走して2着。差すことはできなかったものの、心に思い出されるものがこみあげてきた。
「潤はもう1回いい波が来ると思うんです。その時に自分も一緒にいたいですね。自分も、終わりたくないんです」
俺の人生はどこから始まり…。いつかの少年は天才と呼ばれ、デビューから華やかに輝き、GⅠタイトルを手にする男と言われてきた。39歳になり、度重なるケガで体は満身創痍。今は「GⅠに出たり出なかったり。やっぱり出続けないとダメですよね」ともう一度、上位で安定することを目指していく。
そのために、こうしたGIII開催で結果を残したい。状態面は「日々、違うので」と、いつでもタテ脚を繰り出せたころとは違う。しかし、人生はすべてが1秒ごとに意味深く進んでいるもの。苦労を経た肉体と精神は、これからの柴崎淳を彩っていく。
二次予選7Rは上杉嘉槻に前を託し、泥くさくてもいい。準決進出につなげる。