小田原競輪GⅢ「開設76周年記念 北条早雲杯争奪戦」は9日、最終日を行った。12R決勝は松井宏佑(33=神奈川)が番手まくりでV。2月の奈良記念以来、4回目のGⅢ制覇を果たし、優勝賞金560万円を手にした。
地元神奈川勢が4車結束し、先頭を志願した郡司浩平が前受けから突っ張り先行。松井は「作戦はなくて、郡司さんが『任せてくれ』ということだけでした」と口元を引き締める。そのやり取りに「ピリっとしました」と責任感を新たにしていた。
思いに応える番手まくりで「神奈川で確定板を独占できて最高の形だった」と振り返り、「次に郡司さんの前を走る時に、郡司さん以上の走りをできるように成長したい」と決意を語った。もちろん勝負の競輪祭が迫ることもあり「さらに調子を上げて、いい走りができると思う」と胸を張り、明らかに弾みがついた。
この日は「1週間前に亡くなった祖母の葬儀でしたが、地元記念でこっちを優先させてもらったんです。いい報告ができると思う」と空を見上げた。ラインの仲間、支えてくれる人たちの力を武器に、これからも突き進む。