【小倉競輪・GⅠ競輪祭カウントダウンコラム(1)鈴木玄人】グランプリ出場をかけた最後のバトル、小倉競輪GⅠ「第67回競輪祭」が19~24日に、ガールズGⅠ「第3回競輪祭女子王座戦」が19~21日にナイターで開催される。13日から5日間、注目の男女レーサーを紹介する。第1回は今年大ブレークの鈴木玄人(29=東京)だ。
言葉の選択が独特だ。「外来生物になれるように」。GⅠ初出場となった8月函館オールスターで、晴れやかな北の大地を背に言い放った。既存の上位陣に対し、挑む決意は泥臭い。そのオールスターでいきなりの準決進出、続く9月福井の共同通信社杯ではGⅡデビューだったが、そこでも準決まで勝ち上がった。
だが、こう言い放つ。すでに名前は知れ渡っているはずでも「上の選手は名前も顔も分からないと思う。俺がいることも知らないと思う」と。謙遜ではなく、それが自分への態度。やるべきことをやって、上位陣に認められる選手ではまだないのだと戒める。
福井の後は「練習をやりすぎて」ギックリ腰になり、立川出走も落車。そして「体調も崩したりで…」と今月の小田原記念でも決勝進出したものの「すべてラインのおかげ」と笑顔はない。ただし、練習に打ち込み過ぎるのは「競輪祭で暴れたいので」に尽きる。
現在の競輪を彩るスター選手たちの中に割り込み、見せたいのは〝鈴木玄人〟の競輪。まだ認められていないという立ち位置から「玄人はやってくれる」へ。小倉の夜にゲントの鼓動を響かせる。