【小倉競輪・GⅠ競輪祭カウントダウンコラム(3)清水裕友】小倉競輪ナイターGⅠ「第67回競輪祭」が11月19~24日、ガールズGⅠ「第3回競輪祭女子王座戦」が19~21日に開催される。カウントダウンコラム第3回はS班・清水裕友(31=山口)。一年間はかつてない苦境に陥っており、グランプリ出場をかけた最後の一戦にかけるものとは…。

 昨年のグランプリ(静岡)は準優勝。今年こそ、競輪界の頂点へと期待されたものの、昨年9月宇都宮GⅡ共同通信社杯競輪の落車が響いたか、年明けから苦しんだ。「周回から呼吸が…」。肺に負った傷を治し、立て直しを図り、随所に活躍を見せてきた。

 しかし、表情は曇るばかり。「何なんでしょうね…」と何度繰り返したことか。ヒロトらしい問答無用の勝負魂が見られないシーンもあった。昨年のグランプリ後も「近畿の2人との力の差がある」と喜ぶものはなく、今も「とにかく上位との力の差がある」と課題を埋められていない。

 若くしてS班となり、戦い抜いてきた慢性疲労なのか…。はぐらかす性格ではないので「今はこんなもん」と割り切り、雲の切れ間を突き抜ける。競輪祭こそ、その舞台。決勝3着となり、飛び込みでグランプリ初出場を決めたのは2018年11月の小倉。素直に「ラッキーパンチがあるかどうか」が現状分析だが、その一撃の破壊力は証明済みだ。

 戦力が揃ってきた中四国勢の中心にいて、かがみこんだ身体をグッと伸ばせば、必ず届く。