松阪競輪GⅢ「開設73周年記念 蒲生氏郷杯王座競輪」は25日、3日目を終え、決勝進出9選手が出そろった。最大の注目を集めるのは地元の皿屋豊(40=三重)。伊勢市役所の職員から競輪選手に転向したオールドルーキーが、奇跡のドラマを進行させている。
快速まくりで快勝した一次予選を皮切りに、二次予選、準決とトントン拍子に勝ち上がり、2年連続でホームバンクの記念決勝の切符をつかみとった。昨年の同大会で初めて決勝に進出したが「緊張し過ぎて記憶にないぐらい」と力を出し切れず8着に終わった。
前回の青森GⅡ共同通信社杯で持病の腰痛が悲鳴を上げ、不安を抱えながらの参戦に「今年は一つでも勝ち上がれたら…ぐらいの気持ちだったから、決勝まで来れたのがびっくり」と驚きを隠さない。
26日の決勝は浅井康太(39=三重)の番手を回るサプライズ。「浅井君の後ろは初めて。自在性、位置取りのうまさとか考えたら、そっちの方がワンツー決められる可能性が高くなりそう」と経緯を明かした。これまでは決勝4着が自己最高なだけに「3着まで入って競輪祭の出場権を取りたいです」と決意をにじませた。
開催が終われば、マンチェスターで行われるマスターズ世界大会に出場する予定だ。念願の世界チャンピオンを目指すわけだが、その前に地元記念で昨年のリベンジを成し遂げる。