和歌山競輪GⅢ「開設74周年記念 和歌山グランプリ」が11日に開幕する。S班の古性優作と佐藤慎太郎を中心に全国の強豪が集結。V争いの前哨戦ともいえる初日特選12Rは和田健太郎(42=千葉)の立ち位置がとても気になった。

 どうすれば、いいの…。並びで頭を悩ませることは、競輪においてよくあること。12R特選は「北日本の2人が坂井(洋)君に行きますよね」と、熟考に入った。守沢太志の到着が遅かったこともあり、また佐藤慎太郎が「坂井―佐藤の時に、守沢が動くかもしれないし、その時は守沢に付いたら」と怪しげな助言をくれたことも重なり、なんとも答えは出なかった。

 同期の平原康多が大宮記念で深谷知広に付いたことが話題になった。

「今までは関東のために、付かないことで、自分たちのラインのためにを示してきたと思うんです。でも平原も考えて、ずっと落車続きで頑張ってきて、続けていたS班からも落ちることになって…」

 心の内は、直接聞かなくてもよく分かる。歴史を刻んできた仲間を思いながら、自身は最終的に「1人で走るのも面白いかもしれないけど、(山田)英明にはお世話になったこともあるし、一緒に走って悔いがないレースをしてくれるから」と山田の3番手に決めた。

 競輪は人間が織りなす無限のドラマ。年明けて熱くなったなら、走り出すのさ、競輪は…。