小倉競輪スペースナイトレースFⅠ「第23回スーパーナイター濱田賞×HPCJC×スピードチャンネル・スカパー杯」が21日、開幕。愛娘が日本競輪選手養成所に合格した北津留翼(38=福岡)は祝福ムードで迎えられた。

 今大会はS班復帰を目指す守沢太志に浅井康太、20代では取鳥雄吾、坂井洋、町田太我ら多士済々。初日は11Rとなった地元の園田匠が「FⅠで予選に回るのは十何年ぶり」と目を丸くしたほど、豪華メンバーが揃った。

 そんな中で報道陣からの「おめでとうございます」との声に照れくさそうな表情を浮かべていたのが、北津留だ。18日に長女の千羽(ちはね)さんが養成所に合格したばかりで「ありがとうございます」と返しながらも「娘の自転車のメンテナンスがなくなるので楽になります」と声を弾ませた。

 養成所の在学期間は毎年5月中旬から翌年3月下旬までの約10か月間。入学前には事前研修もあり、愛娘とは1年近く離れ離れになる。それでも最後まで「寂しい」と口にしなかったのは愛娘に余計な心配をさせないための気遣いなのか――。

 ただ、北津留は「まだ世間知らずなんで。まずは無事に卒業してもらわんと」と言ってパパの顔ものぞかせた。

「まずは無事に」との思いは自身にもある。昨年1月の濱田賞では初日特選で「先頭誘導員早期追い抜き」により失格となり、約4か月のあっせん停止という重い処分を食らった。

 単騎で臨む因縁の初日特選に向け「大宮記念の決勝では清水(裕友)君のスピードに付いていけなかった。練習はしてきました」と表情を引き締めた一方で、「1月の小倉はデジャヴが…」と笑いを誘った。

 まずは先行するライバルの動きを見極め、白星で昨年の悪夢を振り払う。