福島県・いわき平競輪場の令和6年能登半島地震復興支援競輪 大阪・関西万博協賛GⅠ「第78回日本選手権競輪」(優勝賞金8900万)は6日、決勝戦が行われ、平原康多(41=埼玉)が直線を突き抜けて優勝。2021年10月弥彦「寬仁親王牌」以来、9度目のGⅠ制覇を達成した。
華々しい復活劇だ!
昨年は激しい落車禍に見舞われ、特に6月高松宮記念杯での股関節負傷(グロインペイン症候群)が大きく尾を引き、2014年から10年に渡り在籍したS級S班から陥落した。気持ちを新たに挑んだ今年はF1戦でも思いのほか苦戦し、今年はここまで優勝はゼロ。周囲からは身を案じる声も上がったが、ここぞという大舞台で強烈な存在感を発揮した。
平原の競輪人生においてケガと落車は常につきまとう。調子が戻るとまた落車、そんな負のスパイラルに陥っても、そのつど不屈の努力と向上心で克服してきた。「脇本(雄太)君らが出てきてスピード競輪になった。何年も追いかけてきたが、それで体を壊し、落車で壊した。そこから自分を取り戻せた1年でした」
表彰式では目にうっすらと涙をうかべ「こらえるのに必死。どんな弱い時でも応援してくれた人の声が力になった」と感謝し「日本選手権を取るのが夢だった。20年以上やって、どんなに絶好調でも勝てない大会だったし、まさか復調途上の今、優勝できるとは」と喜びを爆発させた。
これで年末に静岡競輪場で行われるKEIRINグランプリ2024の出場とS級S班への復帰が決まった。「まだ、昨年壊した左足や股間節が本調子じゃない。そこの脚力が戻ればもう少し戦えると思います」とじっくりあせらず、本調子を取り戻していく。
今、関東は真杉匠を筆頭に若手の台頭が目覚ましいが、御大がまだまだ最前線で鎮座し、地区の繁栄を見守っていく。