小田原競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設75周年記念 北条早雲杯争奪戦」は27日、最終日を迎える。12R決勝で地元地区の南関勢は7人結束。脇本雄太(35=福井)は〝ラスボス〟として7人の厚みを打破する。

「しようがないですよね」

 ワッキーはポツリとつぶやく。「地元地区だし、しようがない」と南関勢が7車並ぶことを受け止めた。これまでの競輪人生の中で、近畿地区でも並びについて深く話すことが多くあり、気持ちはよく分かる。そして「それに対する敵役も必要だと思いますし」と自分の立場を受け入れた。

 競輪界のラスボス的な存在として、魔王級の立場に立っている。大挙結束して挑まれることも多く「今年もそのあたりの経験もしていますし、乗り切るしかない」とシンプルにとらえる。

 平塚GⅠオールスターからの激闘には違いなく、疲労は残っている。初日特選は地元勢相手に苦戦したが、二次予選、準決は圧勝した。

「自分の感覚のままに走っているだけで、それがいいか悪いかは分からない。でも、急な雨とか予想外なところはありつつも1着は取れているし、立て直せてはいるのかな」

 7対2。「加えて3・3バンクなのが…」と不利であることを認識しつつ「やるしかないんで」。ワッキーなら…というファンの期待を背負い、渾身の一撃を見舞う。