ライオンハートが復活のVを手にした。和歌山競輪GⅢ「第6回大阪・関西万博協賛競輪」は13日に最終日を行い、決勝は金子幸央(30=栃木)が鋭く抜け出しGⅢ初優勝を飾った。
「実はゴール後、泣いてました。でも、すぐに、拭いて…」
表彰式は満面の笑みで祝福を喜んだものの、心の中には苦しい時間が湧き起こっていた。悪夢に襲われたのは2020年12月26日で「クリスマスの次の日でした」と笑う。交通事故というアクシデントに襲われ背骨と左手首を骨折した。「もう選手としては難しいのかもしれない」。復帰できないかもと病床に沈んだ。
しかし、不屈の心を持つ男は立ち上がり、強くなって復活した。今では「つらい時でも、あの時に比べたら何でもない」とひたすら上を目指す気持ちだけがある。
昨年5月宇都宮記念は準優勝で悔しい思いをしたが、今回は堂々の優勝で「2着と優勝じゃ違う。プライドを持って競輪祭に行きたい。次の目標はGⅠ決勝」と声高らか。強い心を武器に、GⅠでの活躍を誓った。