和歌山競輪ＧⅢ「第６回大阪・関西万博協賛競輪」が１０日、幕を開けた。開幕戦は立部楓真（２５＝佐賀）がまくりで快勝。九州の大砲候補が今度こそのＳ級定着を狙っている。

　台風６号の名残、また７号の接近で初日は朝から強い風が吹いていた。誰もが１Ｒを見てどんな状況なのか注目する中、冷静に立ち回った。「風は強かったですが、落ち着いて走れました」。

　快勝にも手放しで喜ぶことなく「展開が向いたので」と平静を装う。中団を黙って確保できたことは確かに勝因だが、上を見ているからこそ笑顔はない。

　佐賀を、九州を引っ張っていく存在として期待を背負っている。特に山田庸平には「練習も見てもらっているし、アドバイスもいろいろといただいています」と目をかけられている。英明と庸平の前で常に戦える選手になることが、これからの使命だ。

　２０２２年の前期にＳ級に挑戦した時は爪痕を残せずにまたＡ級陥落となってしまった。そこから心機一転、今度こそはとＳ級に戻ってきた。

「前回のＳ級の時よりはやれているかな」と声は小さいが、７月に再昇格してからの戦いぶりには成長の２文字しかない。

　２日目（１１日）の二次予選９Ｒも名うてのレーサーが顔を並べるが、一撃を決めておかしくない。